LOLはチームゲームです。言い換えればLOLはフレックスキューであれソロキューであれ社会性があるゲームであり、社会性がある以上そこにはカースト制度よろしくヒエラルキー(身分の高低)が存在します。
この事実が認識できないとLOLというゲームを楽しむのは難しい(特別にメンタルが丈夫でない限り)。LOLはゲームデザイン的にそうできています。
目次
プレイヤーがLOLの試合に求めるもの
あなたは何を求めてLOLを起動し、試合にインキューしていますか?
- 試合に勝ちたい
- LOLが上手くなりたい
- ゲームを楽しみたい
どの項目にどれくらいの比重を置いているかは人それぞれですが、基本的にはこの3つの理由でプレイしているはずです。(よほど特殊な楽しみ方を見出していない限り)
もっと言えば1番と2番は3番に含まれます。相手をボコった方が楽しいから試合に勝ちたいし、自分が上手い方が楽しいからLOLが上手くなりたい、要はゲームなのだから当然楽しむことを目的にプレイしているわけです。
チャットやピン、行動で味方をわざわざ不快にさせてはいけないワケ
他のプレイヤーも楽しむことが本質的な目的である以上、勝利を目指す以上に楽しそうなことを発見してしまえば、試合そっちのけでソレに全力を尽くすのは自然です。
例えば
- 開幕AFKをしてウンコをしに行った奴に惨めな思いをさせたい
- ミッドでアカリを先出しして味方に負担を押し付けながら暴言を吐き散らす奴を後悔させたい
- マスター・イーを使ってファームと?ピン連打と後入りだけしているバス乗りプレイヤーを絶対に活躍させたくない
といった具合です。
特に日本鯖は村社会特有の気質が反映されており、身内の悪事に極めて敏感なうえ、敵に勝つことよりも味方を貶めてチーム内から自分へのヘイトを逸らそうとするプレイヤーが明らかに多いです。
※いじめっ子集団の黒幕的なポジションを狙って他罰的なコミュニケーションを取る人が妙に多い。
こんなソロキュー村で5対5のゲームに勝とうと思ったら、絶対に勝利以外の目的を発見させてはいけません。
そして立場が上のロールほど勝利以外の楽しみ方にシフトしやすくデザインされているため、試合に勝ちたければ自分よりも立場が上のロールには絶対に逆らわないことです。
最も立場が上のロール
ソロキュー村において最も立場が上のロール、それはサポートです。意外に思った方もいるかもしれませんが、理由は明白です。
理由1.サポートを希望してプレイしている人が少ない
サポートはRiot公式すら認める不人気ロールの1つであり、サポートがあてがわれた人の半数近くはどこでもオプションを消化するために(多かれ少なかれ)嫌々プレイしています。
ダイヤモンド以上のレート帯ではその限りではありませんが、ゴールド以下の低レートほどその傾向が顕著です。(レートの仕組み的に、レートが上がるほど人気ロールと不人気ロールの希望者数の差が少なくなる)
つまり
- 試合に勝ちたい:△
- LOLが上手くなりたい ← サポートが上手くなりたいとは思っていない
- ゲームを楽しみたい ← サポートに割り振られた時点で楽しくない
この時点で前述した3項目のうち2項目が潰れてしまっているわけです。
もちろんLOLの仕組み的に「サポートは下手だけどミッドレーンはめちゃくちゃ上手い」はあり得ません。しかし低レートプレイヤーは当然そんなことは知りません。
こんな状態のプレイヤーを不用意に刺激すれば「全力で嫌がらせをすること」に楽しみを見出してしまうのは火を見るより明らかです。
理由2.サポートは内輪の嫌がらせ合戦において最強
もしあなたが味方のサポートを不用意に攻撃した場合、サポートプレイヤーはあらゆる手段を使ってあなたのゲームを妨害することができます。それもアカウントをBANされないよう巧みに、です。
例えば
- 適当にボットレーンのミニオンを食い散らかす
- ロームしてミニオンウェーブにスキル1発だけ撃ってクソウェーブにする
- 危険な場所とタイミングを見計らって敵ジャングルに侵入しキルを献上する
- やるだけやったらYoutubeを見ながら時々ワードを撒きに行くフリとして1クリックだけする
といった具合です。
この程度であれば日本鯖ではまずアカウントBANされません。特に低レートでは「真剣にプレイしているけどやっていることはこれと同じ」プレイヤーが多いため、機械的に区別がつかないからです。
※万一ですがこれをして何かあっても責任は取りません。推奨しているワケではありませんので。
理由3.サポートは無敵の人
逆に、あなたが味方のサポートに対して嫌がらせをしようとしても何もできません。
何故ならサポートをあてがわれた時点で自分のファームなんてものはありませんし、レベルも元々10人中最低、1v1で勝てなくなって困る相手もいないのですから。
最初から何も持っていないが故に、サポートから何かを奪うことはできません。しかし何も持っていないが故に、奪おうとすれば何でも自由に奪うことができる。
こんなロールに対してケンカを売ってその試合を楽しめるわけがありません。一方サポートプレイヤーは、自分を不当に攻撃してくる害悪プレイヤーを懲らしめることができて、スッキリした気分で次の試合(自分が本来やりたいロールでの試合)に向かいます。
そもそもサポートなどというみんながやりたくないロールを人数合わせのために嫌々やってあげている時点で相当立場が強いわけです。
楽しくLOLをプレイしたければ絶対に彼らにだけは逆らってはいけません。
次点で立場が強いロール
次点で立場が強いのはジャングラーです。サポートと似たような理由ですが、サポートと違いファームが配分されていることと、義務の多いロールであることからサポートよりは立場が弱いです。
理由1.ゲームメイカーである
ジャングラーはLOLにおけるゲームメイカーです。
もう少し噛み砕いてお話すると、自分の持っているリソース(時間、コントロールワード、アルティメットスキル、フラッシュなど)をいつ、どの割合で、どのロールやどのオブジェクト獲得のために配分するか決めることができるのがジャングラーです。
彼らに逆らうと自分へのリソース配分は当然ゼロにされてしまいますし、警戒用のリソースすら割いてもらえないレーンは敵ジャングラーにとって格好の的です。
ただし、ジャングラーがこの立場を維持するためには配分できるリソースを保有していなければいけません。
ファームが遅すぎて自陣ジャングルを回るので手一杯になっているようではチームのために配分できるリソースが何もない役立たずであり、当然立場も弱くなります。
また、ガンク用のハードCC、コントロールワード、デワード用のオラクルレンズ、これらを持っていないジャングラーはそれだけ配分できるリソースが少なく、6までまともなガンクができないジャングラーは3で動けるジャングラーよりも試合中リソースを配分できる時間が短くなります。
サポートとは逆に、持っているからこそ立場が強いわけです。
理由2.内輪の嫌がらせ合戦はサポート以外の全員に勝てる
今や一般的となっているEUスタイルでは、サポートは一切ファームをせず、ジャングラーはやむを得ない場合を除きジャングルモンスターのみでファームします。
これは、3キャリー2サポートのバランスで3人のキャリーをレーナーとして配置し、ミニオンの経験値とゴールドという最も大きなリソースを3キャリーに集中させるという戦法が最強だからです。
言ってしまえばジャングラーはレーナーにたくさんファームさせてあげるために、経験値もお金も少ないジャングルモンスターで我慢して、レーンミニオンの美味しい経験値とゴールドを譲ってあげているわけです。
そんなジャングラーが身内から不当に攻撃されたらどうするか、当然、譲ってあげていたミニオンを奪い返しにに来るわけです。
対抗してジャングルモンスターを荒らしたところで帳尻は合いません。なぜなら元々レーンミニオンの方が美味しいのをジャングラーが好意で譲ってあげていたわけですから、対立したレーナーは本来より育たず、ジャングラーは本来よりも育つだけです。
ただし、はじめから全てを譲っているサポートからは奪えるものがないため、サポートと争った場合ジャングラーに勝機はありません。
理由3.果たすべき義務が多い
ジャングラーの立場がそこまで強くない理由として、果たすべき義務が多いことが挙げられます。
上記のジャングラーの立場の強さはレーナーが大なり小なり
- 試合に勝ちたい
- LOLが上手くなりたい
- ゲームを楽しみたい
という目的を持ってゲームをプレイしているからこそ成り立ちますが、味方のジャングラーが最低限の義務すら果たせないレベルの下手クソだと判明した場合、レーナーの視点では
- 試合に勝ちたい ← ほぼ無理
- LOLが上手くなりたい ← ジャングラーあり対ノージャングルの試合で上手いもへったくれもない
- ゲームを楽しみたい ← すでに楽しくない
となり、一生懸命プレイする動機が失われてしまいます。サポートが限度を超えた下手クソだとしてもワンチャンありますが、ジャングラーが限度を超えた下手クソだと可能性は限りなく低くなってしまう。
この状態でまともにプレイを続けるのはOPGGの履歴を気にする人くらいでしょう。
こうなってしまうとレーナー側も「自分を不当に攻撃した味方ジャングラーにいかに嫌な思いをさせてやるか」くらいしか楽しめる要素がなくなってしまうため、共倒れを狙ってきます。
具体的には「ジャングラーがレーンに行こうが森を回っていようが一生付きまとい、できる限りファームを取り上げる」ようになります。
当然レーナーは果てしなく腐るのですが、彼らの楽しみはすでに「この戦犯ジャングラーにいかに嫌な思いをさせるか」にシフトしてしまっているため、自分のレベルや装備など全く気にしていません。
そのためジャングラーで強い立場でプレイするためには最低限の義務(敵のアクションに対して最低限の交換を行う)を果たし、チームが試合に勝てる可能性を維持しておく必要があります。
幸い日本鯖はジャングラーのレベルが異様に低いため、最低限の義務を果たしているだけで快適にプレイできますし、レートもダイヤモンド4までは上がっていきます。
立場が弱いロール
立場が弱いのはレーナー3人ですが、サポート、ジャングルに次ぐ序列としてはトップ、ミッドのソロレーンが該当します。
これらは前述の2ロールからレーンの美味しいミニオンを譲ってもらっている立場にあり、奪われるものは多い一方、敵対して奪えるものはほとんどありません。
しかも10人中レベル最高が前提のロールのため、他ロールといざこざを起こして少しでもリソースを奪われると対面に蹂躙される十分な理由ができてしまいます。
レーナーをプレイするときは自分の立場の弱さをしっかりと自覚して、わざわざ味方に突っかかったり、責任転嫁して不当な攻撃を仕掛けないよう、ごく当たり前のマナーを守ってプレイしなければ自分が楽しめない状況に追い込まれることはよく覚えておきましょう。
立場が最弱最低のロール
10人中最も立場が弱いのがボットレーナー(ADC)です。
EUスタイル的に言えば、このロールはそもそも後半の集団戦やバロン戦、タワーシージのために、序盤1人では満足にファームすることすらできず、放っておくと容易くタワーダイブで潰されたり、タワーを破壊されてしまう貧弱なマークスマンを配置しています。
レーンのゴールドを譲ってもらっている点は他のレーナーと同様ですが、ADCは追加で味方のリソース(サポートのピールやプッシュの手伝い、ガンクケアのためのワード)を割いてもらわなければ満足に戦える装備を整えることすらできません。
さらに装備が整ったとしても集団戦では味方の視界コントロールやエンゲージ、アグロコントロール、ピール、ディスエンゲージなど多くのリソースを割いてもらってようやく満足に火力を出し、気持ちよくなることができるロールです。
ボットレーン、特にマークスマンをプレイする時はヒエラルキーの最下層であることをしっかりと認識し、味方を神様のように称え、聖人のようにプレイしましょう。
それだけが自分が気持ちよくゲームをプレイできる唯一の方法なのですから。