LOLは全員が勝利を目指してプレイする前提でゲームデザインされていますが、「楽しむ」という目的だけにフォーカスすれば勝利からわざと遠ざかりながら自分だけが楽しくプレイすることもできてしまいます。今回はそんな「テイカー」への対処法のお話です。
目次
LOLのゲーム設計
私が知る限り、LOLほど味方に足を引っ張られるゲームは他にありません。「頑張っているけど足を引っ張ってしまう」分には仕方がないのですが、中には「最初から勝利を目指すつもりなどなく、自分だけ楽しめればいい」というプレイヤーもたくさんいます。
上手なプレイヤーであれば「対面をボコって敵全員ボコれるので普通にプレイしていれば楽しい」となります。こういったプレイヤーがいかに性格が悪かったとしても、せいぜいスマーフ行為をするくらいなので味方の足を引っ張ることはありません。
今回テーマにするのは「下手なプレイヤーが試合の勝敗を無視して自分だけが楽しもうとした際、結果的に著しく味方の足を引っ張る」という点についてです。
「テイカー」とは
『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』という書籍では人間を3つのタイプに分類しています。
- ギバー:人に与えるのが好きな人、いわゆる親切な人
- マッチャー:受け取ることと与えることのバランスを取ろうとする人
- テイカー:受け取ってばかりの人、タダ乗り野郎
要はギブ&テイクのギブに寄っているか、中間か、テイクばかりか、という分類です。そしてこの「テイカー」はLOLプレイヤーにもたくさん存在します。
「マッチャー」か「テイカー」か
LOLではプレイヤーが「ギバー」「マッチャー」「テイカー」のどれに分類されるのか見極めるのは非常に簡単です。「チームに貢献しようとしているかどうか」最低でも「自分の役割をまっとうしようとしているかどうか」を見ればいいだけです。
具体的な例を挙げてみましょう。
マッチャーの例
例えば「2:40にガンクを食らって死ぬダリウス」はどうでしょうか。
- ダリウスは序盤にパワースパイクが偏ったチャンピオンであり、特にJGを絡めた2v2が強い
- ということは、ダリウスがチームの役に立つには序盤に戦闘を起こす必要がある
- となると、敵ジャングラーの最初の上バフを襲いに行くか、レーンでカウンターガンクをセットアップする必要がある
- いずれも最初のウェーブをプッシュする必要がある
つまりこのダリウスは「チームの役に立とうとした結果(少なくとも自分の役割を全うしようとした結果)、味方のジャングラーがダリウスを知らなかったために死んでしまった」と言えます。彼はギバーかマッチャーです。
他には「最初にレーンを引いてタワー手前で止め、序盤の戦闘には一切寄らないナサス」「単独行動して敵陣で捕まって死ぬアサシン」いずれも自分の役割を果たそうとしています。
テイカーの例
では次の例、「ひたすら自陣でファームしているだけのマスター・イー」はどうでしょうか。
- マスター・イーはレベル2で赤バフを付けたタイミングだけ妙に強く、その後は装備が揃うまでずっと弱い
- ジャングラーが対面にアクション差を付けられすぎると装備が揃うまでに試合は終わってしまう
- そのため、マスター・イーは序盤でキルをとってスノーボールした場合だけ強い(←いわゆるスノーボールチャンプ)
- 例外として、味方が強かった場合だけは試合がギリギリ終わらないのでマスター・イーも復活できる
つまりこのマスター・イーは「自分のチャンプのデメリットをすべて味方に押し付け、味方がそれを吸収し切れた場合にだけ、まるで活躍したかのような気分になれる」というプレイです。完全なテイカーです。
ギバーかマッチャーであれば、たとえどれだけ下手だったとしても
- 赤バフスタートしてそのまま敵ジャングルに突っ込んでいって倒される
- 赤バフスタートしてそのままガンクに行ってギリギリ倒される
- 敵のレベル3ガンク読みでカウンターガンクを構えたけど来なかった(読み負け)
あたりの失敗に落ち着きます。スノーボールしていないマスター・イーなど棒にも箸にもかからないことくらいは誰でも知っているからです。
テイカーへの対処法を学ばなければLOLは続けられない
LOLはこういったテイカーへの対処法が良く学べるゲームです。というより、LOLほどテイカーへの対処法が学べるゲームは他にない、とまで言ってしまっていいでしょう。
なぜならテイカーが湧いた試合でどれだけ頑張っても、貴方の頑張りはすべてテイクされ実を結ぶことはないからです。
この本質的な問題に気付かずに「自分の頑張りが足りなかったのでは」「あそこはああしていたら結果が変わっていたんじゃ…」と、自分ばかり責めていては本当に病気になってしまいます。
テイカーへの対処法
テイカーへの対処法は単純で、「マッチャーになること」。これだけです。
実は前述の「ギバー」「マッチャー」「テイカー」には「ギバー>マッチャー>テイカー>ギバー」という相性が存在します。
進んで人に与えてしまうギバーは無限に搾取されてしまうためテイカーに弱く、マッチャーはバランスを取ろうとするため何も与えてくれないテイカーには何も与えないので強いわけです。
先ほどのマスター・イーが求めていることはこうです。
- 俺は20分まで何もしない、視界も取らない、時々お前の対面にキルを献上する
- お前は敵のジャングラーに散々ガンクを受けるが全部避けろ
- でもタワーは渡すな、何ならタワープレートも渡すな
- ガンクを捌いてウェーブコントロールを失ったとしても俺は一切フォローしない
- だが俺がドラゴンやヘラルドを触るといったら来い、ウェーブを全部捨ててもだ
- 時々お前のウェーブを食い荒らす、マスター・イーに育ってほしいだろ
こんなのとまともに向き合っていたら試合にはもちろん勝てないし、精神的にやられてしまいます。
あなたが取るべきスタンスはただ一つ
「だったらテメーの対面(対抗)と同程度の働きをしろ」
これだけです。
あとはYoutubeでもAmazonPrimeでも見ながらポテチをかじり、2分に1回ミニオンをクリックしておきましょう。テイカーは相手が一方的に自分に与えてくれるのが当たり前だと思っているので、バランスを取ってあげるだけで勝手に発狂します。