LOL(というかソロQ)の実質的な試合時間は非常に短い。最初の5分どころかローディング画面で決着が付いていることがほとんどだったりします。この記事ではなぜそうなるのかについて見ていきましょう。
ある程度の実力がある方には説明するまでもないのですが、LOLの実質的な試合時間は非常に短いです。
試合が5分経過した後にどちらのチームが勝つか予想してもらえばほとんどのプレイヤーが正解できるでしょう。
それどころかローディング画面を見ればどのような経過を辿ってどのような結果に落ち着くかはかなり正確に予測できます。
目次
- LOLはチャンピオンごとにできることが決まっている
- どう戦うかもマッチアップごとに決まっている
- レーンで戦いが起きるかどうかもマッチアップで決まっている
- LOLは有利が有利を呼ぶゲーム
- 逆転要素が少ない
- 5v5ができるかできないかピックで決まっている
- 実はソロQはロード画面で詰んでいる試合が多い
LOLはチャンピオンごとにできることが決まっている
LOLはチャンピオンごとにできることが決まっています。
ダリウスがブリンクすることはできませんし、ナサスが序盤ガレンに殴り勝つことはできません。
ブラッドミアは序盤プッシュ力が低いですし、マスター・イーが敵をスタンさせることはできません。
となるとチャンピオンをピックした時点で選択肢はほとんど固まってくるわけです。
どう戦うかもマッチアップごとに決まっている
何ができるか決まっているということは、マッチアップ次第でどう戦うかは決まっているわけです。
マルファイトVSクインの場合、マルファイト側はパッシブシールドが復活したり奇数レベルでQを投げるだけ。レベル6以降はある程度クインの体力が減ったらRからワンコンするだけです。
戦い方が決まっているということは自動的にルーンも決まっています。マルファイトはQを投げるだけなので秘儀の彗星、クイン側は味方ジャングラーを待つしかないので体力を残しやすいフリートフットワークかガンク時にダメージを出すためのプレスアタックです。
サモナースペルや装備も同様に、自動的に決まっています。
※つまり、ロード画面でトンチンカンなルーンやサモナースペルを持っていた場合、ソイツはマッチアップを分かっていない(=負ける)と分かるわけです。
これはジャングラーも同様で、例えばリー・シンをピックしたのにひたすらファームしているだけだとマスター・イーにスケール負けしてしまうため、リー・シンは死に物狂いで序盤ガンクに向かうわけです。
レーンで戦いが起きるかどうかもマッチアップで決まっている
例えばトップのマッチアップがカミールVSジャックスだとしましょう。
この場合序盤にトップレーンで戦いが起きることは確定しています。
- ジャックスはファームさえできればスケール勝ちなのだけど遠距離からCSを取る手段がない
- ジャックスがCSを取っているとカミールがWを打ってくる
- 黙って受け続けるとハラス負けしてしまうのでカミールのW先端をQで避けると同時に飛び込んでダメージ交換をすることになる
- カミールは殴り合いたくないのでEを当てて下がる
- カミールはEでそのまま下がることもできるが、そうするとダメージトレードに大きく負けてしまうためできる限りEを当てて下がりたい
- 繰り返し
まともなジャングラーはこういうレーンを狙ってきます。ジャックスを倒すにはQで飛び込んだタイミングでガンクを刺せば、カミールを倒すにはEを前に使ったタイミングで刺せば、このマッチアップは刺さると分かり切っているのですから。
しかしどちらかのジャングラーがシヴァーナだったらどうでしょう。ブリンクもCCも持たないので、知っていたとしてもまともなガンクができません。ということはこのレーンの勝敗は予測できますね。
LOLは有利が有利を呼ぶゲーム
LOLは有利を取った側がネズミ算式にどんどん有利になるゲームです。(よくスノーボールと言いますよね)
格ゲーであれば1本取られても次の1本はまた互角の状態からスタートしますが、LOLはキルを取った側は追加でキル経験値とゴールド、キルを取られた側は逆にミニオンの経験値とゴールドをロストした状態で試合が続きます。
レベルも装備も先行しているので戦闘に強く、ファームも早く、レーンを押しやすく、視界を取りやすく、寄りも早く人数有利ができやすい、それらの有利がまたレベル差と装備差になって…と、どんどん有利が加速していきます。
最初の5分が予想できれば試合の結果も概ね予測できるのはそういうことです。
逆転要素が少ない
有利が有利を呼ぶので逆転が極めて難しいゲームです。というのもLOLでは有利な側は先にレーンを押してドラゴン周りに集まり、視界を掌握します。
元々有利な側が視界まで掌握しているのですから集団戦はさらに不利なわけです。
ということは不利チームの逆転要素というのは概ね以下に集約されます。
- シャットダウンゴールドが付いている敵をキャッチして倒す
- バロンを触っている相手に集団戦を仕掛ける
- バロンをスティールする
しかしこれも敵がケアしていると難しい、どころか逆利用されてしまうのが普通です。
シャットダウンが付いている敵は当然育っているため場合によっては2v1でも勝てないことがありますし、敵のジャングラーやサポートがケアしていて同数戦になればまず勝てないでしょう。
バロンを触っている敵に集団戦やスティールを仕掛けるためには「敵がバロンを触っているという情報」を得る必要があります。負けているとそのためのワードを置きに行った際にキャッチされて倒される可能性が高いわけです。
5v5ができるかできないかピックで決まっている
序盤で大きな差が付かない試合は多くの場合、5v5で決着が着くことになるでしょう。ここで5v5ができない構成だった場合はその時点で試合終了です。
例えば次のような構成を想像してみて下さい。
- クイン
- イブリン
- ゼド
- ジン
- パイク
というかこれは構成がないので「構成」と呼ぶのはやめましょう。「チャンピオンの集まり」と呼びます。
このチャンピオンの集まりで5v5をすることはできません。前線を支えるフロントラインもなければ集団戦用のエンゲージスキルもなし、範囲スキルもなし、と、集団戦に必要なスキルが悉く欠けています。
わざわざレーンでの強さや単独での奇襲性能に特化したチャンピオンを選んでいるので当然です。
このチャンピオンの集まりは序盤無双できれば良いのですが、先出ししてしまったせいで対面がカウンターピックだったり、敵チームが安定感のあるタンクで固めてきた場合、思うようにキルが取れないまま中盤以降の集団戦フェイズに差し掛かることは簡単に予測できます。
そして相手がグループして行動し始めた時点で完全にできることがなくなり詰むのは容易に予測できるでしょう。
実はソロQはロード画面で詰んでいる試合が多い
上記は極端な例ですが、実はソロQはロード画面で詰んでいる試合が多いです。ロード画面を見ただけで簡単に結果が予測できるのもこれが大きな要因だったりします。
例えば味方がミッドレーンでヤスオを先出しピックしたとしましょう。相手は後出しでレネクトンをピックしました。
この場合ジャングルが1周目をフルクリアしていたらヤスオは簡単に死んでしまいます。ヤスオがミッドでレーニングできるようになるまで相当な介護が必要なわけです。大抵の場合1キル渡しただけでは足りないでしょう。
レネクトンは放っておけばあっという間にミッドタワーを貫通しますし、育ってからでは2v1でも勝てなくなる可能性があるためヤスオを介護せざるを得ません。しかし敵ジャングラーが潜んでいて2v2になればまず負けてしまいます。
仮にうまくガンクを刺すことができたとしても、ミッドをイーブンに戻すのと引き換えに、自分のファームは遅れ、トップかボットは敵のジャングラーに破壊されます。
いわゆる「詰み」の形です。これを打破するには味方のトップとボット両方が異常なまでに強かったり、敵のジャングラーがこちらにキルを献上してくれるトロールでもない限り厳しいでしょう。
これが戦略ゲームならば先んじてヤスオのようなユニットを生成することはありません。
戦術ゲームならば、対CPUなら最初から詰んでいるステージは作られないし、それが対人ゲームなら戦略的には五分五分の状況から始まります。
しかしLOLは1人が1キャラのみを操作するアクションゲーム、それが5人ずつ2チームに分かれたバトルアリーナなので、先出しヤスオのトロールを止めることができません。
このように、LOL(というかソロQ)は試合の過程も結果もロード画面を見れば簡単に予測できるわけです。