3キャリー2サポートの法則

League of Legends を含むMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)のチーム構成の基本中の基本、3キャリー2サポートの法則について解説します。

目次

平均レート帯のプレイヤー

LOLの教科書ではサイト制作時に読者想定として「EUスタイルって言葉は一応聞いたことあるけど詳しくは知らない」くらいを想定していました。

そのため第4章:マクロ講座ではEUスタイルの概要と歴史について触れるところから始めています。

しかしここ最近ちょっとした機会があって思ったのは

  • もしかして平均レート帯のプレイヤーはEUスタイルどころか3キャリー2サポートすら知らないのではないか
  • それ以前に League of Legends がMOBAというジャンルに属すること自体知らないのでは

ということで、記事にすることにしました。

よく考えればカジュアルプレイヤーがこの辺の、いわば試合に勝つための知識がないのは当然のことなのかもしれません。

カジュアルプレイヤーは試合の勝ち負けよりも、いわゆる俺TUEEEしたいがためにプレイしているわけで。ということはチーム要素ともなればなおさら興味がないわけです。

さて、ここまでで試合の勝敗に興味がないプレイヤーはブラウザバックしているはずなので、そろそろ本題に入りましょう。(そもそも彼らがLOLについて調べているとも思えませんが)

ここまで読み進めているということは、あなたは試合の勝敗に関心があるプレイヤーのはずです。

3キャリー2サポートの法則とは

3キャリー2サポートの法則、あるいは単に3キャリー2サポートとは、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)のチーム構成の基本中の基本です。

結論だけ言えばチームのうちダメージキャリー3人をレーンに配置し、残る2人はサポート的なチャンピオンとするのがリソースを最大限活かすことができるため強い、というだけの話です。

これはMOBAが一種の競技として盛り上がり国際的な賞金トーナメントが開催されるようになって以降、わりと早い段階で判明しています。

LOLにおいては初期のUSスタイルにしろそれ以降主流となったEUスタイルにしろ、この配分から大きく外れることはありません。

単純に4キャリーだとチーム全体でリソースが不足し、2キャリーだとリソースが余ってしまうためです。

かの悪名高いファンネリングYIにしても、ミッドにタリックというサポートを置くことで全体のバランスを取っていたわけです。

ここからはなぜ3キャリー2サポートが適切にリソースを配分できるのか掘り下げてみましょう。

MOBAのレーンは3本

サモナーズリフト

2003年にリリースされたDefense of the Ancients(略称 DotA)に端を発する(厳密にはもっと古い)MOBAは、それを元に2009年にリリースされたLeague of Legendsにおいてもマップなどの大枠が引き継がれました。

つまり3本のレーンとその間に位置するジャングル、そしてプレイヤーは5人ということです。

MOBAではチームが勝利するためにはチャンピオンたちが育つ必要があります。全員レベル1のまま決着した試合を私は見たことがありません。(remakeを除く)

必然、チームにどんなチャンピオンが必要か、どんなチャンピオンがどこでファームするのがいいか、という話になります。

ここで

  • ジャングルよりもレーンでファームする方が得られる経験値・ゴールドが大きい
  • 複数人でファームすると1人当たりの経験値・ゴールドが減る
  • ADCはレベルが低くてもゴールドさえあれば活躍できるが、チームに複数入れるのは厳しい

こういったゲームの仕様を考慮した結果、前述の形となったわけです。

ジャングルでのダメージキャリーピックは強いのか

時々ジャングルでダメージキャリーを出したがるプレイヤーがいますが基本的には悪手です。

普通に考えてみて下さい。レーンの方が経験値もゴールドも大きいのだから、ダメージキャリーが必要ならレーンで出した方が強い、という当たり前の結論になります。

  • マオカイ(レベル6)とマスター・イー(レベル5)
  • モルデカイザー(レベル6)とジャーヴァンⅣ(レベル5)

2v2でどちらが勝つかは明らかでしょう。

加えてダメージキャリーは往々にしてガンク性能が皆無なのでレーン戦の段階でチームが大きな不利を背負うことになります。(ピンとこないかもしれませんがガンク「しない」と「そもそもやりようがない」には決定的な差があります)

※レーン戦だけで済めばいいのですが、Gankerがいないということはたいていチームのエンゲージ能力も不足します。

ジャングルでダメージキャリーを出すのは例外的で、次の場合で候補に上がります。

  • 対抗ジャングラーのカウンターとして有効に機能する場合
  • チームにDPSが不足していてやむなく補う場合
  • そのパッチで特定のチャンピオンがOPすぎる場合

このように勝つプレイヤーはその時の気分ではなく「チームが勝つために必要なチャンピオン」をピックしているわけです。

サポートでのダメージキャリーピックは強いのか

解説する必要もなさそうですが一応。

ダメージキャリーにはお金を稼がせた方が普通に強いので、ダメージキャリーが必要ならレーナーとして出した方が強い、という当たり前の結論になります。

加えてダメージキャリーはエンゲージ性能もピール性能も皆無なのでADCのファームや集団戦でチームが大きな不利を背負うことになります。

  • 今当たれば勝てるのに…誰も行ってくれないwww
  • 敵がスキルを外した!戦いたいのに…走ってるだけじゃ追いつかないwww
  • サポートと一緒にいるADCがゼドにRされただけで毎回死ぬ
  • 集団戦で真正面から走ってくるだけのゴーストダリウスが易々ADCまで届いてしまう

こんなことになっているとしたら、それはわざわざ負けるようなピックをしたサポートやジャングラーの問題です。

サポートでダメージキャリーを出すのはかなり例外的で、次の場合で候補に上がります。

  • 対面のカウンターとして有効に機能する場合
  • そのパッチで特定のチャンピオンがOPすぎる場合

チームが強くなるピックをしてみよう

あなたの目的が俺TUEEEであれば何も言うことはありません。

誰かがサポートチャンピオンをピックして、誰かがいい感じに敵をキャッチしてくれて、誰かが集団戦でエンゲージしてくれて、あるいは敵のエンゲージをうまく捌いてくれて、突入すれば勝てる!という状況でボタンをポチっとするだけで勝てるマッチが回ってくるのを祈るのもいいでしょう。

しかしそうでないのなら、試合に勝ちたいのなら、チームにとって必要なピックをし続けてみてください。

※ただしトップレーナー、テメーはダメだ。あなた方は対面に勝つことだけを考えてください。

例えば

  • 敵が序盤戦いたくてたまらないマッチアップの時のジャーヴァンⅣやエリス
  • 対面かつ敵の主なエンゲージ手段がブリッツクランクの時のタリックやアリスター
  • 敵がAD偏重構成の時のマルファイトやラムス
  • 対面も敵もAPばかりの時のドクター・ムンドやカサディン

そのチャンピオンらしいプレイをしているだけで、当然のようにあっさり勝ててしまうことに驚くでしょう。勝てるチャンピオンをピックしているのだから当たり前なのですが。

そのためには知識が必要です。全チャンピオンのスキルや性質を知っているのは当たり前として、このマッチアップはどちらがどう有利なのか、どういう構成があって、それぞれどんなタイプのチャンピオンが必要で…

LOLの教科書にはそのための情報が揃っています。

チームに必要なピックがわからない、という方はぜひ第1章から読み返してみてください。このサイトがあなたの助けになることを願っております。

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